必死に智恵を絞る

二○○五年の「耐震強度偽装問題」発覚以来、マンション業界すべてが「利益を追求するばかりの悪の集団」のようにとらえられている風潮もあります。しかし、誤解していただきたくないのは、そもそもの根底に「購入者のニーズ追求」という意識があるという事実です。言い換えれば、業界全体に、「売れる物件をつくらなくては仕事にならない。だから、購入者が求めるものを一生懸命考えてつくっていこう」という強い志向があるということです。私はデベロッパーの方々と話し合う機会が多くありますが、驚くほどの細かさでもって、真摯に自分の担当する物件に取り組んでいます。「ここにはこの金具をつけたほうがいいのか。その位置は何センチがいいのか、何センチだと洗練された感じになるのか」などと、とても一生懸命なのです。間取りプランにしても、デザインにしても、購入者のニーズにできる限り応えるため、必死に智恵を絞って喧々諤々やっています。「売れるマンションと、いいマンションは異なる」ということを前述しました。残念な話ですが、結局、購入者の求めているものをつくるということになると、デザイナーズマンションとか、内外装、設備、いわゆる目に見えるもの、あるいは実用的なものに志向が偏りがちなのです。